Presented by
マッチボックスロゴ
ギグワークについて知る退職者活用特集人材シェアのハウツーアルバイト採用の基礎知識

単発アルバイト雇用に関するよくある質問!雇用契約書は必要ですか?

2021/09/18

一般的なアルバイトスタッフの雇用において、雇用契約書を作成する必要性を疑う人はいないでしょう。

しかし、1日・時間単位での単発アルバイトに関しては、雇用契約書・労働条件通知書を作成しなければならないのか悩んでしまう人事担当者も少なくありません。

日本でもギグワークが認知されるようになった反面、まだまだ法整備は十分でなく、採用側の知識も不十分なケースが散見されます。労働者とのトラブルを避ける意味でも、企業・人事側は正しい知識を身に付けたいところです。

この記事では、単発アルバイト雇用に関するよくある質問の一つとして、単発アルバイトを雇う際の「雇用契約書・労働条件通知書の必要性」について解説します。

通常のアルバイトの雇用契約書に関しては、こちらの記事で紹介しています。

1日限りの単発アルバイトの雇用にも雇用契約書や労働条件通知書は必要

結論から言うと、1日限りの単発アルバイトを雇用する場合でも、企業は雇用契約書または労働条件通知書を用意する必要があります。

その理由は、法律上における「労働者」の定義にあります。労働基準法第9条では、労働者は以下のように定義されています。

第九条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、
事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

また、労働基準法第15条には、労働者に対する労働条件の明示義務が以下のように記されています。

第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

このことから、日雇い・単発・常勤者を問わず、労働者に対する労働条件の通知は必須となることが分かります。

よって、雇用契約書や労働条件通知書の交付は必要になります。

雇用契約書・労働条件通知書が不要なケースもある

原則として、労働者の勤務形態を問わず労働条件の通知は必要であるものの、一部例外もあります。代表的なものが、企業がフリーランスと業務委託契約を結んだ場合です。

業務委託契約とは、受注者(フリーランス)が注文者(企業)から受けた業務の遂行もしくは成果物を約束し、注文者がそれに対して報酬を支払う形の契約です。

労働契約と違って、使用者・労働者の関係が発生せず、注文者は受注者に対して具体的な指揮命令ができないため、雇用契約書・労働条件通知書の交付は不要となります。

また、雇用契約書に限って言えば、法律上の作成義務はなく、作成しなかった場合の罰則もありません。

その根拠は、民法第623条にあります。

第六百二十三条 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。

こちらの条文は、契約のみによって効力が発揮されることを意味しているため、口約束でも契約が成立するものと解釈されます。

本当に雇用契約書や労働条件通知書は不要なのか?

法律上は口約束でも契約が成立することは事実ですが、まったく不要であると言い切れないのも事実です。

口頭で雇用契約を終えてしまうと、使用者と労働者との間で理解した内容が異なったまま、仕事がスタートしてしまうおそれがあります。

もし、労働者が口頭での契約内容をすべて録音していた場合、使用者側が重大な誤解を招く物言いをしていたと言及され、法的トラブルに発展するような事態を招くかもしれません。

しかし、雇用契約書を交わしていれば、お互いの共通の理解を醸成した上で契約を結ぶことができ、労働問題に発展するリスクを減らせます。

少なくとも、雇用契約書の取り交わしは、契約内容を双方で確認したという証拠になります。

よって、いかなる労働条件であっても、雇用契約書は取り交わすのが望ましいのです。

単発アルバイト向け雇用契約書・労働条件通知書の作成に関する注意点

単発アルバイトに対して交付義務があるのは、労働基準法に定められている通り、労働条件通知書となります。

もちろん、雇用契約書があった方がトラブルに発展するリスクは低くなるものの、とりあえず法的義務を順守することだけを考えるなら、まず用意すべきなのは労働条件通知書です。

ただ、労働条件通知書を作成する場合、必ず書面で記載しなければならないものがあります。以下に、雇用契約書のケースも含め、必要な明示事項についてお伝えします。

労働条件通知書で最低限必要な記入事項

労働条件通知書には、必ず記載しなければならない項目がいくつか存在します。これは「絶対的明示事項」と呼ばれ、以下の内容は必ず労働条件通知書に明示する必要があります。

【書面の交付による明示事項(絶対的明示事項)】
①労働契約の期間
②就業の場所・従事する業務の内容
③始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
④賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期に関する事項
⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)

出典:厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。

また、書面にせず口頭ではよいとされているものの、就業規則などをベースにきちんと労働者に説明しなければならない事項もあります。

【口頭の明示でもよい事項(相対的明示事項)】
①昇給に関する事項
②退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
③臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
④労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
⑤安全衛生に関する事項
⑥職業訓練に関する事項
⑦災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
⑧表彰、制裁に関する事項⑨休職に関する事項
出典:栃木労働局「労働条件の明示(第15条)

雇用契約書には何を記載する?

雇用契約書のベースとなるのは、労働条件通知書の内容です。よって、雇用契約書を取り交わす際に「労働条件通知書兼雇用契約書」という形でまとめる企業も見られます。

最低限の情報として、絶対的明示事項の記載は必要ですが、雇用契約書ではそれに加えて相対的明示事項も記載するイメージになります。

労働者に説明する内容がより詳しくなりますから、労働条件通知書の交付だけでは重大なトラブルに発展しかねない職務を任せるのであれば、やはり雇用契約書を準備した方が確実かもしれません。

特に注意しておきたいのは、企業・労働者がともに署名捺印する欄を設けることです。

署名捺印欄は、お互いが契約内容に合意していることを示す意味で、労働条件通知書と雇用契約書との違いを示す重要なポイントです。

賞罰に関する特殊な社内ルールがある場合などは、就業規則の中で特に重要な部分だけを抜き出して記載することも大切です。

2019年4月1日から、FAX・電子メール・SNSなどで明示可能

労働条件の明示は、基本的に書面で行わなければなりません。
しかし、労働基準法施行規則の改正にともない、労働者が希望した場合に限って、2019年4月1日から以下のような方法で明示が可能になりました。

①FAX
②Webメールサービス(Yahoo!メール、Gmailなど)
③LINE・メッセンジャーなどのSNSメッセージ機能  など

ただし、ブログ・コーポレートサイトなど、第三者に閲覧させることを目的としている媒体への書き込みは明示として認められません。

書面での交付に比べて手間がかからないため、手間なく交付できるように準備しておくと良いでしょう。

参考:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「『労働基準法施⾏規則』改正のお知らせ

単発アルバイトの雇用時における、源泉徴収や雇用保険の加入について

労働条件通知書・雇用契約書に関する基本的な知識を紹介したところで、続いて単発アルバイトの雇用に関して併せて確認しておきたい源泉徴収や保険加入のポイントをご紹介します。

源泉徴収は「丙欄」を用いる

単発アルバイトの源泉徴収額を知るには、源泉徴収税額表の「丙欄」をチェックします。

源泉徴収税額表は、月額表と日額表の2種類があり、丙欄を見る場合は日額表を確認します。日額給与が9,300円以上になる場合は、源泉徴収が必要です。(参考:国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和 4 年分)

単発アルバイトの源泉徴収票の発行に関して、詳しく知りたい方は、こちらの記事をぜひ参考にしてみてください。

雇用保険・社会保険の必要性について

1日単位など、短期間で働く単発アルバイトは、社会保険・雇用保険の対象外となります。ただし、労災保険はすべての従業員が対象となりますから、注意が必要です。

本記事でご紹介した雇用契約書以外で、単発アルバイトと通常アルバイトとの手続きなどの違いに関しては、こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

多くの単発アルバイトを管理するには「自動化」がカギ

労働条件通知書による労働条件の明示は、労働者が希望した場合は電子化が可能になります。

そのため、煩雑な通知書作成の手間を省くため、企業が通知書作成を「自動化」する流れが広がりつつあります。

労働条件の明示以外でも、自社で働く多くの単発アルバイトスタッフの情報を管理するのは、人事担当者にとって大きな手間になります。

そこで、業務効率化を実現する際にカギとなるのが、あらゆる業務を自動化することです。

単発アルバイトの労働条件通知書作成が自動化できるmatchbox

お仕事アプリmatchboxを使うことで、現役従業員だけではなく、OBOGや単発アルバイトなどあらゆる人材を自社の「人材バンク」に登録して一括管理できます。単日雇用のスタッフの採用時には、労働条件通知書が自動で作成されます。

自動化できる労務は他にもある

matchboxで自動化できる単発アルバイトスタッフの労務には、他にも以下のようなものがあります。

・マイナンバー管理
・出発確認・勤怠提出、承認
・給与計算(乙、丙)
・給与明細・給与即払い
・源泉徴収票
・外国籍者の管理(など)

さまざまな種類のスタッフの労務処理をまるごと自動処理できるので、労務担当者にとって大きな作業時間の短縮になります。

膨大な人員を動かす機会が多い現場であればあるほど、メリットは大きくなるはずです。

単発アルバイトスタッフの採用や管理にお悩みなら、ぜひ導入をご検討ください。

まとめ

単発アルバイトも常勤者も、同じく労働者として扱われるため、適切な雇用に関する契約が必要となります。

雇用契約書の発行は義務ではありませんが、企業と労働者が契約内容を双方で確認したという証拠になるので、後のトラブルを避けるためには必須と言えるでしょう。

管理するスタッフの人数が膨大になるものと予想される場合は、労務の自動化も視野に入れましょう。

また、単発アルバイトやギグワーカーの求人募集を始め方はこちらの記事をご参考にしてみてください。

マッチボックスロゴ
1営業日以内にご対応します
【お知らせ】
2021年4月1日よりローソンの全国14,000店舗で「matchbox(マッチボックス)」が導入開始されました。
>詳しくはこちら

※人財のデータを蓄積し、最適な求人ができるお仕事アプリを開設いただけるサービスです。
>matchboxのサービスページはこちら